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紅麹問題検証

小林製薬紅麹事件67

初出:valuepress(2026年5月24日) https://www.value-press.com/pressrelease/374835

小林製薬紅麹事件研究解説 小林製薬・行政・マスコミによって隠されていること第4弾 「大腸菌とO157は別物か」——株が性質を決める——

株式会社薫製倶楽部(岡山県都窪郡早島町)は2026年5月24日、自社ウェブサイトに小林製薬紅麹事件 【シリーズ】小林製薬・行政・マスコミによって隠されていること第4弾:「大腸菌とO157は別物か」——株が性質を決める——「紅麹菌」という名称だけでは安全性を語れない————株の同定なき一括公表が意味すること——を問い続ける——

株式会社薫製倶楽部 代表取締役・薬剤師 森 雅昭

株式会社薫製倶楽部(岡山県都窪郡早島町)は2026年5月24日、自社ウェブサイトに小林製薬紅麹事件 【シリーズ】小林製薬・行政・マスコミによって隠されていること第4弾:「大腸菌とO157は別物か」——株が性質を決める
——「紅麹菌」という名称だけでは安全性を語れない——
——株の同定なき一括公表が意味すること——
を問い続ける——

▼対象記事URL

https://kunsei.com/archives/907

【シリーズ】小林製薬・行政・マスコミによって隠されていること 第3弾
「大腸菌とO157は別物か」——株が性質を決める ——「紅麹菌」という名称だけでは安全性を語れない—— ——株の同定なき一括公表が意味すること——

プレスリリース 我々紅麹業界に何が起こったか 67

前号(66)では、小林製薬の43日培養工程を一般発酵食品と比較し、温度・期間・ハードルのすべてにおいて食品製造の枠組みから逸脱していたことを示した。食品用紅麹事業者への匿名インタビューもその異常性を裏付けた。  今号では、その「プロセス」の問題から一歩踏み込み、「何の菌が使われていたのか」という本質的な問いを立てる。  微生物の世界では、「種(species)」という名称だけでは何もわからない。安全性を決定するのは「株(strain)」である。同じ大腸菌でも、腸内に無害に棲む株と、死者を出しうるO157:H7では、全く別の生物として扱わなければならない。  小林製薬が使用した紅麹菌は「特殊株」であった。では、その株は科学的に同定されたのか。行政はその正体を確認したのか。  この問いが、ピークXの正体不明という問題の根底にある。

株式会社薫製倶楽部 代表取締役・薬剤師 森 雅昭

■ ① 「種」と「株」——似て非なる概念

生物は「界→門→綱→目→科→属→種」という階層で分類される。しかし微生物の安全性管理において、この「種(species)」レベルの分類は出発点にすぎない。

重要なのは「株(strain)」である。

株とは、同一種の中に存在する遺伝的変異体である。ゲノム配列のわずかな違いが、産生する代謝物・酵素・毒素・色素の種類と量を根本から変える。つまり——

同じ「種名」の微生物でも、株が異なれば産生物質も危険性も全く異なる。 「紅麹菌を使っている」という事実は、安全性について何も語らない。

■ ② 最もわかりやすい実例——大腸菌とO157:H7

大腸菌(Escherichia coli)は、健康なヒトの大腸に数千億個単位で常在する微生物である。その大部分は無害であり、ビタミンKの産生など腸内環境にとって有益な役割も担っている。

 通常の大腸菌(腸内常在株)腸管出血性大腸菌 O157:H7
学名Escherichia coliEscherichia coli O157:H7
種(species)同じ同じ
株(strain)腸内常在株(多数)志賀毒素(ベロ毒素)産生株
主な産生物質ビタミンK等(有益)志賀毒素1型・2型
ヒトへの影響無害(腸内環境に有益)出血性大腸炎・溶血性尿毒症症候群(HUS)・死亡例あり
「大腸菌が検出された」という事実は、それだけでは何も語らない。問題は「どの株か」である。O157:H7は1982年に初めて食中毒の原因として特定されたが、それ以前も「大腸菌」は存在していた——ただし病原性株として認識されていなかっただけである。

■ ③ 紅麹菌(Monascus)にも同じ原則が適用される

紅麹菌(主にMonascus purpureus、M. anka等)は、1,000年以上にわたって東アジアの食文化で使用されてきた発酵微生物である。中国・台湾・日本において、紅腐乳・紅麹酒・紅麹味噌など多様な食品に用いられてきた。

しかし「紅麹菌」という名称もまた、株によって性質が根本的に異なる。

株の特性主な産生物質食品・安全性備考
食品用標準株(一般)色素(紅・黄・橙)、モナコリンK(微量)1,000年以上の使用実績あり伝統的食品として確立
シトリニン産生株シトリニン(腎毒性マイコトキシン)EU等で規制対象株管理が不十分だと産生リスクあり
小林製薬使用「特殊株」十分に同定が公開されていない(ピークX含む)関連が指摘されているが因果関係は確定していない一般食品用紅麹とは別物として扱うべき株

■ ④ 「紅麹原料」という言葉による一括公表——株の違いを考慮しない

厚生労働省は2024年、紅麹を原材料として使用する225社を「紅麹原料」使用事業者として一括公表した。当社(株式会社薫製倶楽部)もその中に含まれた。

しかしここで問わなければならない。

食品用紅麹事業者が使用する株(1,000年以上の使用実績を持つ標準的な食品用株)と、小林製薬が使用したとされる株は、同じ「紅麹菌」という名前を持ちながら、産生物質・安全性プロファイルにおいて性質が大きく異なる可能性があり、安全性評価上は区別が必要である。

【科学的課題】 大腸菌O157:H7の例で示したように、同一種内でも株によって安全性プロファイルは根本的に異なる。今回の一括公表においては、株レベルの区別がなされていない点に科学的課題がある。 1,000年以上の使用実績を持つ一般食品用紅麹菌と、小林製薬が使用したとされる株とでは、産生物質・安全性評価上の位置づけが異なる可能性がある。にもかかわらず「紅麹原料使用」という名称のもとに一括して公表されたことは、科学的な株レベルの区別を欠いている。
当社が問い続けるのは以下の二点である。 第一:小林製薬の「特殊株」が何であるかを、行政はいつ、誰が、何を根拠に科学的に確定したのか。 第二:その確定なき状態で、なぜ「紅麹原料」という名称のもとに株を問わず一般食品事業者が公表対象とされたのか。 これらの問いに、行政はいまだ答えていない。

→ 続く

株式会社薫製倶楽部 代表取締役・薬剤師 森 雅昭 〒701-0303 岡山県都窪郡早島町前潟611-1 TEL:090-2001-0686  Email:sales@kunsei.co.jp

【過去のプレスリリース】

・自社サイト(紅麹関連記事一覧):https://kunsei.com/archives/category/benikoji

・ValuePress(薫製倶楽部 配信一覧):https://www.value-press.com/corporation/87091

本文書は記者向けの参考資料です。引用・転載にあたっては事前にご確認ください。


「大腸菌とO157は別物か」——株が性質を決める

——「紅麹菌」という名称だけでは安全性を語れない————株の同定なき一括公表が意味すること——